Cartier Must de Tank

カルティエは誰もが知る、宝飾メーカー。
 
リシュモングループの代表格で、幅広いユーザーに向けて多くの製品を手掛けている。 リシュモングループの登竜門、窓口的なメーカーとして知られる。ここではリーズナブルでありながら、非常に人気の高い、 マストタンクを紹介しながら、Cartierのユーザーへの姿勢を紹介したい。
 
クォーツ時計の落とし穴と賞賛の修理対応 時計を選ぶ上で、高級品になるほど気になるのが、
「もし壊れた時に、果たして修理ができるか」
という所であろう。 その上では、電池をエネルギーに動くクォーツ時計には特に注意が必要になる。 なぜなら、優れた技術をもってしても、壊れた電子回路は修復できないからである。 壊れたならば、交換する他に手が無い。 サポートが数年で終わるメーカーの品は、この場合、匙を投げられ、直すことが難しい。
 
その点、カルティエの対応は素晴らしい。 ゼンマイで動く機械式も、クォーツ時計の古いタイプも、 当時の保証書が無くとも、今現在ではメーカーサポートを受けられる。 華やかさだけでなく、リシュモンのカルティエに対する力の入れようや、 ユーザーを大切にする気概を感じる事が出来る。
 

 
豊富なバリエーション
 
マストシリーズは文字盤の種類の多さが大きな特徴である。 ユーザーそれぞれの個性や気分に合わせて使えるよう演出されている。金無垢のシリーズに比べて手の届きやすい価格に抑え、バリエーションの豊富さで商品展開しているモデルと言える。 確認できている文字盤の種類を紹介してみよう。他にもあるだろう。
 
                          
 
ケース素材
 

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 価格を抑える上で1番の工夫がこちら。
ベルメイユと呼ばれるその素材は、母材の銀に20μの金メッキを施している。 銀を使うのは比重が重い素材で、適度な存在感を出す為と考えている。

厚み、大きさ、重さ、のバランスは時計を着ける上で大切な要素のひとつ。 あまり知られていないが、マストタンクのネジは、錆が出ないよう、金無垢素材が用いられている。 難点としては、厚めとはいえメッキを施されたケースはやはり劣化しやすい。

当店の製品では傷ついたケースは仕上げ直しているので、綺麗に使って頂ける。 また、長年の使用によってそれが剥がれたとしても、再度仕上げが可能だ。

 


 
 
 
 
 
 
中枠
 

 

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プラスチック製の中枠を使用している。
ケースの横から中枠を固定する為に、ねじ止めされている。
ねじの圧力でヒビが入る事もあり、ここは劣化が起きやすく、割れている個体を見かけることが度々ある。 弊社ではこちらのパーツもストックしている。

 

 


 
  
ムーブメント
 
 
057と次の世代の157を紹介する。 157の方が後期のムーブメントだが、作りはほとんど変わらない。
大きな違いは、外形が丸型になり、汎用性が増した事だろう。

 

 

 

 

 

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この機械は20秒に一度しか針が動かず、歯車はたったの6個で非常にシンプルに作られている。 秒針のついた機械に比べて必要な消費電流は1/3以下で済む。 電池の消費がおさえられた機械は、作動時間が長く 電池交換後に作動する期間は2年半から3年と言われている。

クォーツの利点を存分に活かして極力シンプルに作られた機械は薄く、 デザインの制約を解き、カルティエらしさの演出に一役買っている。 不具合が起きやすいのは、オイルの差し過ぎ。 繊細なパーツの為、オイルが刃先に流れてしまうと、オイルの粘土で機械が止まってしまう事がある。

また、クオーツ時計全般に言えるが、非常に小さい力で作動している為、埃や入水の際の汚れにより止まる事が多々あるように感じる。 針表示のアナログクォーツクォーツ時計は磁力制御でモーターを回しているため、外部から強い磁力にさらされると止まってしまうのも、特徴である。