UNIVERSAL GENEVE POLEROUTER

COMMENT

すりばち状のインナーリングに5分刻みのインデックスを配置したポールルーター。ダイヤル中心はブラックギルトで奥行きが感じられます。主張の少ないドット状のミニッツと、クロスラインはシンメトリーで引き込まれそうな、秀逸なトータルデザインです。盤面を駆けるドルフィンハンドの針は、クラシカルで視認性が良いです。ケースは真円で、ねじれたラグです。ケースサイドはラグまで流れるようなシームレスな造りで、ジェラルド・ジェンタがまだ無名の時にデザインしたという背景も相まって、人気の理由が頷けます。

搭載ムーブメントは「MICROTOR」と呼ばれる、特殊な自動巻機構を備えています。自動巻の錘（ローター）を機械の上に配置するのでは無く、小さいローターをベースムーブメントの中に埋め込む事で、薄くエレガントなデザインに、スクリューバックの堅実なケースを実現しました。

ケースは半世紀以上経ったとは思えないほどの、良好なコンディションです。小傷のみで大きな損傷はなく、3面のねじれたラグはエッジが立っています。インナーリングは一切の劣化も見られません。ブラックギルトのダイヤルは綺麗に艶が残っています。ブランドロゴのレタープリントが綺麗に残っています。針は均一なエイジングを受けていますが、程度のよいもので雰囲気を良くしています。ルミナスは経年変化がみられます。

ポールルーターの始まりは、SAS（スカンジナビア航空） が耐磁性を備えた堅牢な時計の製作を、ユニバーサル・ジュネーブへ依頼したことからでした。当時SASが計画していた、北極を超える 2600 km の先駆的な飛行を称えるために、その名がつけられました。どこかエレガントでありながら、ツールウォッチのルーツを持っています。

BRAND

ユニバーサル・ジュネーブの歴史は二人の時計師、エミーユ・デコームとジョルジュ・ペレによって1894年スイスで創業されたところから始まる。高級感溢れるデザインウォッチや複雑時計の製造を得意とし、クロノグラフの名品＜コンパックス＞を開発したことで、その名を時計史に刻んだ名門のブランド。