LEMANIA Ref.192-1

COMMENT

TISSOTやOMEGAなどにエボーシュを提供していた＜LEMANIA社＞。プレーンなホワイトダイアルには、縦ヘアライン仕上げが施されています。インデックスはアラビアのルミナス。ミニッツの目盛りが細かく、しっかりと端まで届く秒針は計測器としても優秀です。針は菱形のローザンジュ針で、夜行塗料を塗布しています。ケースは真円に3面ファセットのラグ、ベゼルは一段ステップした手の込んだ意匠です。

ケースは研磨歴が見られず、プロポーションに優れています。小傷こそありますが、気になる大きなダメージはなく好印象を覚えます。ダイアルはミントです。ホワイトダイアルは焼けなどが現れやすく、良い状態で残っている個体は稀ですが、当時のままの状態を維持しています。針にはエイジングが確認できます。ルミナスはわずかに黒ずみが見られますがイエローの色味を半分残しています。当店にてオーバーホール済みで、パワーリザーブ47時間を確認しています。

搭載キャリバー2990はS27の小改良型で、名機の誉れ高いcal.CH27のベースムーブメントです。主な変更点は後継機のcal.3000にも見られる、ヒゲ乗り上げ防止デバイスがいち早く採用されているところ。それ以外の仕様はS27と同様で、出車以外の歯車が露出していない贅沢なレイアウトをお楽しみいただくことができます

BRAND

1884年の創業当初から、 クロノグラフを手掛けるエボーシュメーカーとして活躍。1940年代には自社名を冠したミリタリーウォッチを製作し、イギリス軍やスウェーデン軍に軍用時計を供給しています。 特にイギリス軍には陸・海・空軍すべてに同社のクロノグラフが採用されるなど、信頼度の高さを証明しています。また、エボーシュメーカーとしては、1932年以降にOMEGAなどのムーブメントの供給元にもなっています。 1969年の、アポロ11号月面着陸の際にアームストロング船長の腕に巻かれていたオメガの＜スピードマスター＞の機械は、＜LEMANIA＞が手掛けていたことを忘れてはいけません。

HIGHLIGHT

Mint Dial