SEIKO Speed-Timer Ref.6139-6031

COMMENT

国産ヴィンテージ時計の中でも人気の高いセイコークロノ、Ref.6139-6031です。通称ペプシベゼルと呼ばれる赤青のツートンカラーベゼルに、オレンジ×ブラックのダイヤルは目を惹く配色です。6時位置には一段下がった30分積算計のインダイヤルがあります。レコード状に細かい溝を作る仕上げですので、マットダイヤルとの光の反射の違いを楽しめます。リューズは引かずに回すことで、インナーベゼルを回転させることが可能です。国内市場向けのモデルで、曜日が日本語と英語の二カ国表記になっています。ケースはいかにも70年代らしい重厚なCラインケースを採用しています。

ケースは、大ぶりなカッティングをしたラグのエッジをよく残しています。小傷が少々見られますが、無骨なヴィンテージウォッチの印象にマッチします。ダメージを受けやすいベゼルに退色や傷が見当たりません。ベゼルの状態で時計の印象は大きく左右されますので、大きなポイントとなります。ダイヤルはミントコンディションです。針はプリントの剥げが無く、きらりと光を反射します。インデックスのルミナスは程よく焼けています。

搭載されているCal.6139は当時では先進性のあった垂直クラッチ、コラムホイールを採用したキャリバーで、日本の技術力の高さを示しています。リューズのプッシュによる、日付、曜日、言語の切り替えが非常に画期的です。通称“61クロノ”と呼ばれる諏訪精工舎製の国産時計初となる名作自動巻きクロノグラフ時計です。

BRAND

日本が世界に誇る時計ブランド＜SEIKO(セイコー)＞。1960年代は、機械式腕時計は完成期とも言えるほどの発展を遂げた時期で、セイコーは精度コンクールの分野でも量産の分野でも、世界に追いつき、追いぬいた時代でした。同時に、「時計の電子化」が進展し、1969年12月にセイコーが世界初のクオーツ腕時計を発売することにより、機械式腕時計からクオーツ腕時計へと大きく舵を切ろうとする時期でもありました。