HEUER CARRERA Ref.2447N

COMMENT

ホイヤーの歴史の中で重要なモデルであるカレラ、Ref.2447Nです。ドライバーやモータースポーツファンが着用する理想的なクロノグラフ時計として1963年に発表されました。カレラの端正なフェイスデザインは創立者のジャック・ホイヤーの嗜好から影響を受けています。ジャックはチューリッヒにあるスイス連邦工科大学で、ダイヤルに関する講義を受けて以来、視認性を追求するようになりました。クロノグラフによく見られる細かな目盛りを嫌い、必要最低限の情報だけでデザインを完成させました。また、彼は建築家オスカー・ニーマイヤーのファンであり、モダンデザインと建築への憧れがデザインに影響を及ぼしたとされています。クールなブラックマットダイアルに、小さいが面取りによって存在感を発揮させるインデックス、無骨な印象のペンシルハンドとバランス感が完璧です。

状態について、ケースは研磨歴を感じさせず、ラグのエッジが立っています。鏡面仕上げが綺麗に光り、華やかな印象です。ダイアルは経年変化が見られず、素晴らしい状態を維持しています。針やインデックスはメッキの剥がれがなく、きらりと輝きます。インデックスのセンターと、インダイアルの針に塗布された白い塗料が劣化なく残っているのは嬉しいポイントです。ルミナスの色味がよいです。これは大きなポイントですが、オリジナルのままにゲイフレアー製のシングルブレスとエンドピースはHELを装備しています。 当店にてオーバーホール済みです。パワーリザーブ42時間以上、日差+15秒を計測しました。クロノファンクションも好調に作動しております。

カレラという名前は、メキシコで開催された伝説的なカーレースである、カレラ・パナメリカーナ・メヒコに由来します。Ref.2447は同年式のロレックスデイトナ1stモデルとの共通点が多く存在します。シンガー社製ダイヤル、バルジュー社製ムーブメント、インダイアルの造りやアワーマーカーのフォントが全く一緒である点です。大きく異なる点はケースです。デイトナはロレックス社が今まで培ってきたオイスターケースを採用した一方、カレラはそれまでのホイヤーのクロノグラフに見られた角張ったケースに、鏡面加工と面取りの煌めきの強いケースを採用しました。時計史に残る伝説的なクロノグラフ時計と、ホイヤーのDNAの双方が感じられる名品です。

 BRAND

タグホイヤーの前身であるホイヤー社は、エドワード・ホイヤーによって1860年に設立された150年以上の歴史を持つスイス創業の老舗。 1985年からタグホイヤーとなり、世界のトップクラスの競技の場で公式時計として採用されるなど、誰もが知る名門ブランド。

HIGHLIGHT

Gay Freres Bracelet