OMEGA Ref.2576

COMMENT

バンパー式自動巻モデルのオメガRef.2576。ケースは裏蓋を除く全ての面に鏡面仕上げを施しています。幅広ベゼルを採用したフェイスは34.0mm以上のどっしりとした印象。オメガの古き良き時代の豊かなデザイン性がほどよく表現された個体です。ダイヤルは縦ヘアラインのシルバー。クサビ型のインデックスは、そのフォルムがユニークで、根元の窪んだ形状に夜光が入り、一体感が秀逸。夜光付きのアルファハンドは、よく見ると立体感を持たせており、造り込みの深さを感じます。ロゴのオメガマークの立体的な仕上げもアクセントとなっています。

1940年代から1950年代にかけて製造されたオメガの自動巻きムーブメントCal.342を搭載。全回転のムーブメントが登場するまで主流であった半回転（ハーフローター）式、通称「バンパー」。手巻から自動巻きへの変遷を感じさせる面白いキャリバーで、コツコツと腕に振動を感じます。ヴィンテージ機械式時計の実感を持てる機械。

ケースは使用による細かい小傷が散見されますが、元のプロポーションを程よく残しています。幅広のベゼルはエッジを綺麗に残し、1950年代らしいクラシカルなフォルムです。ダイヤルは注視すると若干ポツポツとしたエイジングが確認できますが、ほとんど気になりません。針やインデックスはダイヤルと同程度の経年変化で、統一感があります。弊社にて整備後、日差は平置きでプラス35秒程度です。機械式時計は姿勢差があることを考慮して参考にして下さい。

バンパーやハーフローターと呼ばれる自動巻き機構は、時計を厚くせずに自動巻き機構を乗せるために生まれた手法です。錘が扇型に往復運動します。腕時計に最初に搭載したのが、老舗メーカー、ハーウッドです。その後OMEGA、JAEGER LE COULTRE、MIDO、ZENITHなど多くのメーカーで、ハーフローターが生産されました。その独特の着け心地を楽しめます。

BRAND

19世紀中頃にルイ・ブランによりスイスのラ・ショー・ド・フォンで時計の組立工場からスタートしたブランド＜OMEGA（オメガ）＞。創業から160年もの歴史を刻み続けるオメガ社は高級時計メーカーとしてロレックスと並び、人気・知名度は群を抜いています。