OMEGA Speedmaster Ref.145.012

COMMENT

 オメガのレジェンド、スピードマスターRef.145.012です。NASAの正式採用となり、「PROFESSIONAL」の名が文字盤に登場しています。ケースメーカーはユゲニン・フレアー（HF=Huguenin Freres）製。ツイストラグにアプライドのオメガロゴ、ステップしたダイヤルは長く造られたスピードマスターでも短い期間でしか楽しめない意匠となっています。搭載ムーブメントはCal.321。後のCal.861のカム式と違い、ピラーホイール式のため、コスト高で、チラネジテンプに巻き上げヒゲと高級仕様です。アーカイブが付属します。

ケースは軽く使用傷が見られますが、変な瘦せがなくツイストラグのエッジが効いており迫力を感じます。ベゼルは部分的にエイジングしており、ぶち模様を見せています。ダイヤルは当時の質感を完璧に残した、パーフェクトなコンディションです。ダイヤルや針のホワイトプリントははっきりした色味を残しており、アプライドのロゴは綺麗な鏡面反射を見せています。インデックスのトリチウムは均一なエイジングで、ヴィンテージウォッチらしい芳醇な表情となっています。弊社にて分解掃除済みで、48時間以上のパワーリザーブを確認しています。ビデオを掲載していますので、ぜひご確認ください。

実用としては、もちろん理想的な高級時計であり、時計コレクションの世界でも、オメガのスピードマスターは優れたタイムピースです。

BRAND

今でこそ「Speedmasterイコール宇宙」という図式がすぐに浮かび上がりますが、当時は宇宙とは全く関係のない、純粋なモータースポーツ用の時計として誕生。また、スピードマスターは、ダイヤルではなく外周ベゼルにタキメーターを表示した世界で初めての時計と言われています。1959年、スピードマスターはマイナーチェンジをします。ベゼルがアルミニウムの黒色ベースとなり、針の形状がアロー針からアルファ針に変更されたことで、より視認性が高まっています。NASAは宇宙での過酷な環境にも耐えうる丈夫なクロノグラフを探しており、名だたる強豪に勝ったスピードマスターを公式時計として採用。その後1969年人類初の月面着陸の際、スピードマスターを着用していたことは有名なお話。