OMEGA Ref.2400 SUVERAN

COMMENT

1930〜1940年代にオメガがスウェーデン政府から依頼を受けて製造されたSUVERAN。35mm径のケースはオールステンレスのスクリューバック構造で、しっかりとした造りに定評のあるモデルです。ダイヤルはホワイトのツートン。ブルズアイのように大きく色を切り替えることの多いこの年式のスポーツウォッチですが、微細な仕上げの違いにより表情を作り上げています。インデックスは夜光のオールアラビア。ブルースチール針にもルミナスをたっぷりと塗布しています。

搭載ムーブメントは一躍OMEGAを世界ブランドに押し上げるきっかけとなったCal.30シリーズ。中でも代表的なCal.30T2を搭載。PCは、耐震装置付きを意味します。1939年に発表された30ミリキャリバーは、ムーブメントの直径が30mmであることに由来しています。出来るだけ大きなテンプを収めて高精度を出すというシンプルな意図で作られたこの優れた機械は、言うまでもなく時計史に残る名機。OMEGAがこのムーブメントを公表後、他メーカーに大きな影響を与え、30ミリに同じ直径と、大きなテンプをもつキャリバーが次々オマージュされた。

ケースは使用感を感じますが、大きな損傷は見当たりません。ベゼルやラグのエッジが効いており、良いプロポーションです。ダイヤルはエイジングにより、ヴィンテージウォッチらしい表情に変化しています。ツートンの内と外で経年変化の進み方が異なり、ダイヤルデザインとして一役利かせています。針とルミナスは概ね良い状態です。ブ弊社にて分解掃除済みで、44時間のパワーリザーブを確認しています。

1940年代当時、ステンレスは高級素材で多くの時計は真鍮メッキを使用していました。入水や衝撃から守るためにコストを大きくかけて造られた、オメガの創意工夫を見ることができる逸品です。

BRAND

1848年の創設以来、数多くの優れた業績を残してきたオメガ。いつの時代も多くの著名人、スポーツマン・冒険家の腕にはオメガがあり、偉大な功績とその瞬間を見守り続けてきた。その歴史に共感するファンも多く、ブランドウォッチの代名詞ともいえる存在。