OMEGA Ref.2791 Black Gilt DIal

COMMENT

ブラックミラーと金のコントラストが鮮やかなオメガ。一段下がったインダイアルはレコード盤のように溝が彫られた繊細な作りで、ドルフィンハンドなどと合わせ、クラシックな意匠にあふれた個体です。3,9,12のアラビア数字が入ったダイアルは1950年代テイスト満載です。ケースは防水仕様でミドルと強力スナップバックのツーピース仕様、内側にパッキンが入ります。正面から見た時にケース側面が見える、テーパードされたデザインはオメガの先進性を見て取れます。

この年式、30mmで防水仕様の物は、当時ヨーロッパで販売されておりアジアや北米ではほとんど見かけません。ムーブメントはオメガの代表的な機械「30mmキャリバー」の「266」を搭載しています。四半世紀近く製造された30mmキャリバーは、オメガの名を大きくした立役者です。こちらの266はスモールセコンドのクラシックなデザインに耐震装置を備えた実用向けタイプ。時間の正確さと修理のしやすさに定評のある機械で、日常でも充分にご使用いただけます。

ケースは使用による小傷は見られますが、研磨歴が見られずラグやベゼルのエッジがパリッとしています。ブラックダイアルはエイジングによりマットな質感に変化しながらも、気になるようなダメージが少なく状態が良いです。印字は全てギルトなため欠けが見られないのが嬉しいポイントです。針やインデックスはくすみが見られず、当時の質感をそのままに残しています。当店にてメンテナンス済みで、パワーリザーブ45時間。年式通りのヴィンテージウォッチを堪能していただけるかと思います。

精度が良いのが30mmを有名にした理由の一つです。アンティークオメガのなかでも、一際人気の高い機構。日常的にお使いになる場合はメンテナスをしながら末長くお使い頂ける時計です。

BRAND

腕時計が普及し始めた1910年代から手巻き、自動巻と変遷を経て、クオーツ時計の開発によって機械式時計が衰退します。それ以前の1960年代に機械式腕時計はひとつのピークに達します。当時は日本でも三種の神器の一つだったオメガの時計。持つ人のステータスとなる高級品で、各メーカーが精度や防水性、耐久性など切磋琢磨し開発した時代。コストをかけて、より良い時計造りのためにしのぎを削っていました。