SEIKO REF.5719-8992 ONE PUSH CHRONO

COMMENT

セイコーのワンプッシュクロノ、1964年に開催された東京オリンピック記念モデルでセイコー初の腕時計型クロノグラフになります。回転ベゼルを分針の位置に合わせてスタートすることで、60分の計測が可能です。1つのプッシュボタンを操作することで、計測のスタート、ストップ、リセットを繰り返します。

外周部からミニッツライン、インデックス、ルミナスが並びます。ミニッツの5分おきに配したアラビアは放射状に設置されており、ベゼルのアラビアと連動しデザインが良いです。インデックスは上面に山形のエッジを付けることでより光を反射します。針は夜行塗料付きのドルフィンを装備しています。

ケースは元のエッジをよく残した良好なコンディションです。プラスチックベゼルはファイ集のエッジが残っています。摩耗で無くなっている個体が多いため、重要なポイントです。文字盤は気になるようなダメージが見られず、美しい質感を元のままに残しています。インデックスや針は上面にくすみが見られず、キラキラと輝きます。弊社にて分解掃除済みです。

モノトーンの配色のクロノグラフはシックな高級感に満ち溢れた一品。日本が世界に誇る名品を手にとれる喜びは、海外の名作を嗜む時とはまた違う格別なものがあります。

BRAND

1960年代は、機械式腕時計は完成期とも言えるほどの発展を遂げた時期で、セイコーは精度コンクールの分野でも量産の分野でも、世界に追いつき、追いぬいた時代であった。同時に、「時計の電子化」が進展し、1969（昭和44）年12月にセイコーが世界初のクオーツ（水晶）腕時計を発売することにより、機械式腕時計からクオーツ腕時計へと大きく舵を切ろうとする時期でもあった。