KING SEIKO Ref.44999

COMMENT

ロービート44のキングセイコー。亀戸の第二精工舎において、製造されたキングセイコーの中でも最高峰に位置する製品です。ムーブメントにキャリバーナンバー「4420A」表記がまだない初期型ムーブメントを搭載しています。鎌形のハック機構、重り付けの施されたひげぜんまい、香箱にルビーを取り付けた27石ムーブメントは、18,000振動のロービートムーブメントにおいて集大成の一つと言えるでしょう。

文字盤のコンディションが良く、目立ったシミや傷は見られません。また、パリッとした面が特徴的な針も状態が良く、綺麗に光ります。使用していると薄くなってしまう、裏蓋外のリファレンスの刻印がこれほどはっきりと残っている個体はほとんど見ることができません。シリアルナンバーの打刻はきれいに残っています。

ひげゼンマイの重り付けとは、ヒゲ内端カットの影響によるひげゼンマイの重心移動を相殺する為に考案された技術です。一見するとゴミと間違えるような微細な重りをひげゼンマイの計算された位置に取り付け、方重りを発生させる事で、姿勢誤差を相殺します。精度を極限まで高める為の他では見られない独自の技術です。時計修理の技術者達は、この重り一つに無骨な職人の飽くなき探求心の影を見て、憧れを持ち続けています。

極太で直線的な広い面の出たラグが、SEIKOらしい力強い印象です。それでいて夜光塗料の無いシルバーの冷淡な顔つきが独特の華やかさを持ちます。年を重ねても使える、良い相棒になってくれるでしょう。

BRAND

キングセイコーは1961年8月に亀戸の第二精工舎にて開発され、グランドセイコーに次ぐ高級腕時計としてセイコーの時計史において欠かすことのできない名品腕時計となっています。