LEMANIA Tg195 Swedish Military

COMMENT

その優れた設計から熱心なファンの多いレマニア社の希少モデル。1954年にスウェーデン軍に官給されたTg195です。一説によると空軍や爆弾処理班に支給されたものだと言われていますが、確かな詳細はわかっておりません。40mmのケースに大きく盛り上がったリューズガードがたくましい印象です。ケースバックは二重蓋のスクリューバック構造、防塵性に優れます。小さいスリークラウンの刻印のTg195は最初期の官給品のみに見られます。ダイヤルは1960年以降に、軍により交換されたトリチウムです。放射線量が1950年末から60年にかけての原子力委員会による新しい規制に適合したことを示しています。ダイヤルの印字は''Tg195''はホワイトプリント、それ以外は全てゴールドギルト（抜き文字）で圧巻の迫力です。インデックスはミリタリースタイルの定番、アラビアの夜光塗料を下地の上に塗布しています。針もトリチウムが塗布されたものです。風防も整備を受けた時に交換されているものと思われます。

ケースはエッジの効いた良プロポーションです。リューズガードがしっかりと残っており、素晴らしい迫力です。ケースバックの刻印はしっかりと視認ができます。ブラックミラーのダイアルはミントコンディションです。過去に入水歴がみられず、質感を当時のままに残しています。ルミナスの色合いはパーフェクトです。濃いベージュカラーで、ヴィンテージウォッチらしい芳醇な雰囲気です。当店にて分解掃除済みで、パワーリザーブ36時間以上、日差＋15秒を確認しています。ビデオを掲載しています。

搭載Cal.2225はTg195専用ムーブメント。特別なハック機能を備えています。プッシャーを押すことでリューズが飛び出し、秒針が帰零します。リューズを押し戻すことで、秒針が再びスタートします。より正確な時刻合わせ、経過時刻の計測を可能としており、軍事作業では重宝されたことでしょう。その圧倒的なデザイン性と機構には目を見張るものがあります。 実用にもコレクションにも十分な存在感を放つ、ヴィンテージならではの面白さに溢れたオーセンティックなミリタリーウォッチです。

BRAND

1884年の創業当初から、 クロノグラフを手掛けるエボーシュメーカーとして活躍。1940年代には自社名を冠したミリタリーウォッチを製作し、イギリス軍やスウェーデン軍に軍用時計を供給しています。 特にイギリス軍には陸・海・空軍すべてに同社のクロノグラフが採用されるなど、信頼度の高さを証明しています。また、エボーシュメーカーとしては、1932年以降にOMEGAなどのムーブメントの供給元にもなっています。 1969年の、アポロ11号月面着陸の際にアームストロング船長の腕に巻かれていたオメガの＜スピードマスター＞の機械は、＜LEMANIA＞が手掛けていたことを忘れてはいけません。

HIGHLIGHT

MInt Tritium Dial,   Cal.2225