OMEGA

COMMENT

1939年製造のオメガをご覧いただきます。80年以上前の時計とはとても信じられない、素晴らしい状態のケースとダイヤル、ムーブメントも非常にクリーンです。特にダイヤルはさっき作ったのかではと錯覚を起こしそうな代物。ブルズアイパターンのダイヤルにありがちなアラビア夜光ではなくグリーン（！）のローマを持ってくるという、全く想像もできないセンスにもただただ驚かされるばかりです。14Kのイエローゴールドで形作られたケースは30mmちょうどで、スクエア型の小型ムーブメントであるR17.8を採用してケース径に見合った薄さも実現しています。驚くべき1本です。

30mm前後のミッドサイズケースは、1940年代当時の通常メンズサイズであり、当時の最先端トレンド。欧米では、星の数ほど存在した時計メーカーだが、当時、日本に輸入された時計はほんの一部のため、日本人にとってはマイナーブランドであることもしばしばある。そんな無名の逸品にこそ、私たちがまだ見ぬ素晴らしい時計が数多く存在します。こちらもそんな当時の時計メーカーの研鑽が集約したもの。腕に乗せた時のバランス感が素晴らしく「ドキッとする」ほど胸が高鳴る雰囲気があります。一目でヴィンテージウォッチとわかるサイズ感が素敵。

BRAND

腕時計が普及し始めた1910年代から手巻き、自動巻と変遷を経て、クオーツ時計の開発によって機械式時計が衰退します。それ以前の1960年代に機械式腕時計はひとつのピークに達します。当時は日本でも三種の神器の一つだったオメガの時計。持つ人のステータスとなる高級品で、各メーカーが精度や防水性、耐久性など切磋琢磨し開発した時代。コストをかけて、より良い時計造りのためにしのぎを削っていました。