GALLET MultiChron 30M

COMMENT

1940年台のギャレット、名機VENUS.150を搭載したマルチクロン30Mです。マルチクロン30Mは世界初の防水性能を備えたクロノグラフ腕時計で、スポーツやレーシング、医療などさまざまな現場で活用されました。ケースはクラムシェル、その名の通り貝殻のような2層構造のケースを4つのビスで圧力をかけて結合することで、高い防水性能を誇るギャレットが特許を取得した造りです。構造的にベゼルの幅が広くなるため、重厚感を感じるフォルムです。針はインダイアルを含め、全てブルースチール針、30分積算計はデザイン針です。ダイアルはそれぞれの針の先に目盛りやアラビア数字を配することで視認性を良くしています。計測機のようなメカニカルなデザインです。インダイアルのレコード盤のような細かい溝が緻密で、作り込みの良さが伺えます。

ケースは年式を考慮すると目立った外傷が少なく、エッジがしっかりと立っており、非常に良い状態です。ダイアルはエイジングが確認できます。ブルースチールの針は、色抜けがなく深みのある青色が時計を生き生きとした印象にします。およそ80年前の時計ですが、当店にて整備済みのためパワーリザーブ45時間を確認しています。クロノファンクションも快調で、まだまだ調子良くお使いいただけます。

ギャレットのマルチクロンシリーズは、1936年から1961年の15年もの間、マイナーチェンジを繰り返しながら販売されたブランドのフラッグシップモデルでした。ブライトリングが名を馳せる以前の、クロノグラフという特殊時計において、ギャレットの名をビックネームへと押し上げた記念碑的作品を、お客様の腕に納めてみてください。

1931年から20年間製造されたギャレットの世界初防水機能を持つクロノグラフのペットネームはClamshell（クラムシェル）。このモデルで採用された特許ケースは通称「Clamshell case（クラムシェルケース）」と呼ばれる。４つのビスによって、ツバ付き風防をトップとバックのケースではさむ構造。

BRAND

クロノグラフの名門。GALLETといえばクロノグラフのイメージが強く、1910年代から20年代にかけてワンプッシュ・クロノグラフを開発している。設立は1862年、ジュリアン・ギャレットによってスイスのラ・ショー・ド・フォンの地に＜ジュリアン・ギャレット社＞が。1883年には、息子のレオンに経営が託され、工場を＜レオン・ギャレット＞に。一方アメリカへの進出も早く、1864年になると子会社設立へ。クロノグラフはアメリカ海軍航空隊に供給され、40年代から50年代にかけてスイス空軍にも採用されるなど、長きにわたりパイロットたちの高い信頼も集めてきた。

HIGHLIGHT

Clamshell Case