OMEGA Ref.2438 Two-Tone Dial

COMMENT

オメガ初の自動巻きムーブメントであるcal.28.10RA SC PCを搭載した1944年製のオメガです。cal.28.10と言われるとピンと来ない方も多いかもしれませんが、のちに命名規則の変更に伴ってcal.350と名を変えました。後者のほうであればイメージをつかみやすいかもしれません。全回転のムーブメントが登場するまで主流であった半回転（ハーフローター）式、通称「バンパー」。手巻から自動巻きへの変遷を感じさせる面白いキャリバーで、コツコツと腕に振動を感じます。

ダイアルはホワイトのツートンです。ミニッツトラックを境に内側が縦ヘアライン。外側が横ヘアラインで異なる光の反射を見せます。オールアラビアのインデックスはフォントがユニークで、傾斜したミニッツトラックにお行儀良く並びます。32.8mmのサイズは、実際身に付けた時に、それ以上の存在感を感じます。

初期の防水ケースで、ここまで状態の良い個体は少ないです。ケースとラグの接合部やベゼルのエッジが効いており、70年の経年を感じません。ダイアルはとても美しい状態を維持しています。ルーペで注視しますとキワにわずかにエイジングが見られますが、年式を考慮するとスーパーミントです。過去に入水歴がないためか、ルミナスは色味が良く高評価です。

この年代特有のツートーンダイヤルで、アラビアインデックスのフォントもこの時期独特のもの。いわゆるブルズアイダイヤルですとグレーや黒を基調としたものが多く、個性の強い面々が群れを成している印象ですが、こちらは明るいカラーの2色使い。ケースも適度にクラシカルなバランスの良いフォルムです。しっかりと動作するムーブメントを厚みも気にならない完成度の高いパッケージング。それをこの年代で実現するオメガの恐ろしさ。買うのにも着けるのにも意気込む必要はありません。

BRAND

1848年の創設以来、数多くの優れた業績を残してきたオメガ。いつの時代も多くの著名人、スポーツマン・冒険家の腕にはオメガがあり、偉大な功績とその瞬間を見守り続けてきた。その歴史に共感するファンも多く、ブランドウォッチの代名詞ともいえる存在。

HIGHLIGHT

Mint Condition,   Two-Tone Dial