JAEGER

COMMENT

ジャガールクルトの前身ブランド、ジャガーです。1937年にルクルトと合併してからジャガールクルトに正式に改名されますが、合併後であってもジャガー名義、ルクルト名義でそれぞれ時計を製造していたようです。例えばアメリカではルクルト、フランスではジャガー名で販売されました。本品は1940年代と推定しましたが、合併以前の製品かもしれません。

ダイアルは外からタキメーター、テレメーター、レールウェイミニッツ、そして60から20までカウントダウンのスパイラルメーターと当時らしいスポーティーな表情です。針はオールブルースチールです。インダイアルは3時が45分積算計、9時がスモールセコンドで、肉眼では視認できないほどの細かいレコード盤のような溝が彫られています。機械はユニバーサルジュネーブ製のCal.285を搭載しています。ケースはEVERSTEEL製、現在でいうところのステンレス製で当時においては高級素材を使用し、スポーツモデルな造りです。

状態について、年式を考えますと素晴らしい状態を保持しています。ケースはラグのエッジが立っており研磨歴が感じられません。ダイアルは、全体的に均一にパティナが出ています。正面から見た時は程よいヴィンテージ感。角度をつけて光を反射させると、よりエイジングを感じます。ブルースチールの針は色抜けが見当たりません。深いブルーの配色が、フェイスの印象をキリッと引き締めています。

腕時計というジャンルが非常に高価な時代にクロノグラフというハイスペック機能を積んでおり、当時の市民とはかけ離れた軍用、航空、車などプロユース向けに販売されたものだと思われます。あそびを効かせたファッションウォッチではなく、当時の技術を集結した本物志向がお好きな方いかがでしょうか。フランスでは絶大な人気のイェガーです。エスプリの効いたファションアイテムとしてもお勧めします。

BRAND

＜JAEGER LE COULTRE（ジャガー・ルクルト）＞は、現在も個性的なモデルを数多く製造し続けるマニュファクチュール。かつては、他の名門メーカー（ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマピゲ、パテックフィリップ、カルティエ等）にもムーブメントやパーツ等のエボーシュを供給していました。始まりは1183年、スイスの小さな工房から。「科学によって立つ」という信念のもと、信頼ある機械・製造ラインを作ることに力を入れ、時計の中心地であったスイスで、高級ブランドに時計の機械・部品製造の先端を行く供給元に成長しました。＜レベルソ＞を代表する自社ブレンドモデルなど、現在では数少ない自社生産のマニファクチュールブランドです。

 HIGHLIGHT

Universal Geneve Movement