VACHERON & CONSTANTIN Ref.4195 Guilloche Dial

COMMENT

カラトラバケースのヴァセロン。完璧なシェイプのケースには、同社らしい精緻なギョシェダイアルが収められています。この年式のヴァセロンは球数は少ないものの、複雑なギョシェダイアルを多種生産したようです。ダイアルはメタリックなシルバーカラー。中央部はストライプにうねりをもたせた独特の模様です。パールドロップのミニッツが位置する部分はフラットで、内外により細やかな彫りを入れています。外周部は12個に部屋分けをし、弧を描いたラインを重ねています。ロゴのレター部はギョシェ仕上げを行わず、メーカーロゴが浮き出たような視覚効果があります。この浮き出るロゴは当時のヴァセロンでよく見られる手法でした。インデックスは3.6.9.12はアラビア、他は三角と、長方の六角形を交互に配しています。スモールセコンドは若干上に位置し、外周の仕上げと6のインデックスに干渉しません。搭載ムーブメントはジュネーブシール規格にパスしたCal.K453/3BWを搭載しています。

ケースは気になるようなダメージが見られず、良好なプロポーションを保っています。全てが曲線でデザインされているため、変な研磨が入るとバランス感が際立って悪く見えてしまいます。ここまで良い状態のものは稀です。 ダイアルは目立ったような汚れは見当たりません。光により、表情豊かに変化します。針やインデックスは極めて良好なコンディションで、上面にくすみが見られません。当店にてオーバーホール済みで、48時間以上のパワーリザーブを確認しています。

当時のヴァセロンのギョシェダイアルは今から100年以上前の機械で手彫りされて作成されていたという逸話があります。今となってはロストテクノロジーとなっている可能性も高いですね。1950年代にここまでのギョシェダイアルを生産したヴァセロンの気概が大いに感じられる一品です。

BRAND

18世紀中頃創業のヴァシュロン・コンスタンタン。日本では誤訳により長い間バセロン・コンスタンチンの呼称で愛されていました。キャビノチェの精神に受け継ぐ世界最古の高級時計ブランドです。キャビノチェは、照明装置の乏しかった当時、技術の高い職人は明かりを求めて屋根裏部屋（キャビネット）に工房を設けており、人々は彼らに敬意を表してキャビノチェと呼んでいたことが語源です。マルタ十字のクロスをブランドロゴに掲げ、高く洗練された優れた技術力によって生み出された名品はコレクターも多く、世界中から高い評価を得ています。 

HIGHLIGHT

Guilloche Dial,   Clatrava Case