LONGINES Pointer Date Ref.5412 / 22739 Large Case

COMMENT

1940年頃の腕時計といえば、カラトラバをベースとしたスタイルのケースです。この個体は約36mm径と大きく、ベゼルはなんと三段にもステップし、よく見ると２段目にはえぐれたカーブがかかっています。いかにも当時のトップメーカーらしいコストのかかったデザインです。2時位置に日付送りのプッシャーがあり、必要に応じて押せるようプッシュガードに裂け目を入れています。ダイアルはホワイト、中心は縦ヘアラインのツートーンです。外側からデイト、ミニッツ、ルミナスのアラビアンインデックスが位置します。デイトとミニッツの境は一段ステップしており、ベゼルの立体感と連鎖した秀逸な意匠です。ミニッツラインは視認性の向上のためか、5分ごとにバーを配置しながら他がドットで一般的なレイルトラックとは異なる珍しいデザインです。針は根元のくびれたブルースチールのペンシルハンドで、中央にはルミナスが塗布されています。デイト針は△ポインターで、レッドが良い差し色となっています。アーカイブ抄本が付属します。

ケースは研磨歴の感じられないもので、ラグやステップベゼルのエッジが立ちパリッとしています。この年式の時計の中では、大きな傷やダメージがなく望み得る最高のコンディションであるといえます。ダイアルは全体に下地を出現させたエイジングが確認できます。外周はホワイトダイアルの下にある金属質な色味を見せており、この個体特有の重厚な表情を堪能できます。レターやラインに劣化が見られないのは、力強さを感じさせます。ブルースチールの針はエイジングが見られるものの、深い青みを残しています。レッドのポインターデイトはほとんど劣化が見られません。当店にてオーバーホール済みでパワーリザーブ45時間以上、日差＋9秒を確認しています。

ロンジンが全盛期の頃の製品です。名機12.68Zを当時最先端の付加機能付きでお楽しみいただけます。ジャンボですが薄型で着け心地がよく、上品なスタイリングが可能です。ダイアルコンディションを考慮してリーズナブルな価格ですが、希少なモデルが自然なエイジングで、素晴らしいポテンシャルを持ち合わせた逸品です。この状態の良いケースや針を必要としている熱心なコレクターの方もおられるかと存じます。

BRAND

ロンジンの時計は機能性・信頼性はもちろん、洗練された気品のあるデザインに定評があり、いつの時代も大人の男性・女性から高い支持を受け続けています。自社でクロノグラフムーブメントまで手がけた、屈指のマニファクチュールブランドでもあった1832年から続く世界屈指の老舗メーカー。当時ロンジンが手がけた手巻き腕時計は、堅牢な作り込みで耐久性に優れていることに加え、精度も秀でておりいまなお実用として普段使いできるものが多いばかりか、優れた美観も併せ持っているため、愛好家たちから高い評価を獲得しています。

HIGHLIGHT

Jumbo Case,   Pointer Date